:::音楽:::
EP D.A.N.
YELLOW DANCER 星野源
3776を聴かない理由があるとすれば 3776
PAPER GODS Duran Duran
①Let’s Say “Hello!” ハロプロ研修生
The SHOW Lucky Tapes
THE BAY Suchmos
D.A.N.『EP』
フェスとは別の文脈における、邦楽ロックの裾野の大きな広がりを感じた年でした。特に顕著だったのは20代前半の若手バンドの台頭。never young beach、Ykiki Beat、The fin.、Yogee New Waves、Lucky Tapes、Suchmos etc.…。そんな中で、Youtubeの関連動画でたまたま引っかかったD.A.N.の、トリップホップを少し連想させる(しかしポーティスヘッドほどには歌い上げず、エモくない)物悲しさや暗さが、2015年の気持ちにぴったりとハマりました。LIVEでも筋が通ったサウンドが展開されていたし、2016年に発表されるというアルバムが非常に楽しみです。
星野源『YELLOW DANCER』
特有のクセを持ったメロディと、誰もが知るブラック・ミュージックを融合すると、こんなに魅惑的なJ-POP=大衆音楽が生まれるとは……。よく考えて作られているのがわかるし、さらに細野晴臣直伝のエキゾチックなTOKIO風味まで散りばめられているとなると、これはもう好きにならずにはいられませんでした。うちの妻が放った「顔と、写真を撮らない以外は福山雅治」という名言にも笑いました…。
3776『3776を聴かない理由があるとすれば』
ここまでの3作品はほぼ同率1位です。2015年は、邦楽ロックとアイドルに80年代前半のような勢いが感じられました。特にアイドルは、戦国時代と呼ばれ始めてから4年余り、勢いを失うどころか一定の支持をキープしつつ、更なる多様性を獲得しています。アイドルの現場には、80年代の東京ロッカーズや東京ソイソースに匹敵するような熱狂と面白さを時折感じます(行ったことはないので想像で)。
3776(みななろ)の『3776を聴かない理由があるとすれば』は、全体がシームレスに繋がるひとつのコンセプトアルバムとして、その音楽性も含め、ピチカート・ファイヴの『女性上位時代』やドゥーピーズ『DOOPIE TIME』を凌ぐかのような勢いを持つ作品でした。サウンドの印象的に近いのはコーネリアスか? 音源で聴ける変拍子や複雑なコード進行を、現場ではカラオケにのせて14歳の井出ちよのちゃんが一音もずらさずに再現しているのにも驚愕。
Duran Duran『PAPER GODS』
ダフト・パンク「ゲット・ラッキー」の流れを汲むナイル・ロジャースとの完璧なコラボに始まり、EDMや最近のR&Bをトレースする、今のデュラン・デュランとして完全に正しいサウンド。同時期に出たニュー・オーダーの新作よりこちらを推したい。アルバムとしての質や大規模プロモーションに見合うだけの評価を得ていない、売れていないのが信じがたく残念。
:::アート:::
速水御舟とその周辺 ─ 大正期日本画の俊英たち (用賀=世田谷美術館)
おとなもこどもも考える ここはだれの場所? (清澄白河=東京都現代美術館)
東京アートミーティングⅥ “TOKYO”-見えない都市を見せる (清澄白河=東京都現代美術館)
大阪万博1970 デザインプロジェクト (竹橋=東京国立近代美術館)
マグリット展 (乃木坂=国立新美術館)
豊作だった前年に比べ、これだと思える展示が少ない一年でした。決して観てないわけでもなかったのですが……。
印象派の画家がルーツに挙げることの多い日本画の作品をまとめて鑑賞したい、という前年からの願いを「速水御舟とその周辺」が一発で叶えてくれました。充実した内容の図録をいまも時々見返しています。
ここ数年訪れることのなかった現代美術館に、去年だけで三度足を運びました。会田家「檄文」問題でクローズアップされた「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」には、一人で一回と、家族と娘の友達でもう一回。ヨーガンレールの、汚い現実をアートで美しく塗り替えるという渾身のメッセージに心を打たれ、おかざき乾じろ「はじまるよ、びじゅつかん」では、自分の子ですら容易に鑑賞経験を共有できないという、他者という壁の切なさを突きつけられました。アートをアートの外側(こども、世界、社会 etc.)と繋ごうとする試みがユニークでした。
:::メディア:::
:::本:::
ちいさこべえ(1〜5) 望月ミネタロウ(小学館)
奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール 渋谷直角(扶桑社)
よめる よめる もじの えほん こくぼみゆき・さく/しもだいらあきのり・え/下山ワタル・デザイン(あかね書房)
:::雑誌:::
MUSIC MAGAZINE 特集:星野源/デモは続く!(ミュージック・マガジン)
:::ネット:::
HIRANO KEIKO’S OFFICIAL BLOG 平野敬子ブログ
:::テレビ:::
おじゃる丸スペシャル わすれた森のヒナタ (NHK Eテレ)
フリースタイルダンジョン/#9 チャレンジャー:焚巻 (テレビ朝日)
クラフトワーク:ポップ・アート (ミュージック・エア)
:::おまけ=ハロプロ楽曲大賞’15:::
1位|恋泥棒 カントリー・ガールズ
2位|愛おしくってごめんね カントリー・ガールズ
3位|ドスコイ! ケンキョにダイタン こぶしファクトリー
4位|大器晩成 アンジュルム
5位|ラーメン大好き小泉さんの唄 こぶしファクトリー
次点|
念には念 こぶしファクトリー
愛・愛・傘 Juice=Juice
わかっているのにごめんね カントリー・ガールズ
ありがとう ~無限のエール~ ℃-ute
乙女の逆襲 アンジュルム
テーブル席空いててもカウンター席 ハロプロ研修生
交差点 アンジュルム
カクゴして アンジュルム
⎯⎯第14回ハロプロ楽曲大賞’15
つんくの病気療養&ハロプロの総合プロデューサー離職など、ハロプロにとっては激動の一年でした。その反面、新グループの結成ラッシュとともに外部の制作者を起用した楽曲が量産され、前年とは打って変わって上位5曲に絞るのが到底不可能な状況でした。実際に投票した5曲に入り切らなかった分は、次点に並べました。全部上位5曲に匹敵するクオリティです。
モーニング娘。が自分の中で失速したのと入れ替わりに、カントリー・ガールズの可愛さ=ポップ=正しさ、60’sやオールディーズを援用したアイドルポップスの王道的な世界に強く惹かれました。一方、こぶしファクトリーはその明確なコンセプトメイキングを背景に、つんくの穴を埋めるようなハロプロらしさを打ち出すのだという意志を、スタッフ一丸となって力強く実践してくれた気がします。
2015年に良曲のレパートリーを一番増やせたのはアンジュルムではないでしょうか。中島卓偉が手がけた「大器晩成」とJuice=Juice「愛・愛・傘」は、タイプこそ違うものの、良曲揃いの2015年の中でも外せない2曲だったと思います。
推しメン部門|小関舞(左)