下山ワタル|ピーグラフ

2023: THE BEST

 
:::音楽:::

12、サウンドトラック「怪物」 坂本龍一
Relay~杜の詩 サザンオールスターズ
NEW DNA XG
猫猫吐吐 ano
AtoZ トキメッキー
一夜のペーソス Lamp
佐藤剛と“アイドル”(プレイリスト)
Something To Give Each Other Troye Sivan
ひみつスタジオ スピッツ
Workin’ Hard 藤井風
Heart of Hurt 高橋幸宏[1993]

 

坂本龍一 『12』『サウンドトラック「怪物」』

 
人生で一番影響を受けた人。2か月前に亡くなった幸宏さんと並んで、一世代前の人たちにとってのビートルズに匹敵する存在。もし出会ってなければ、ぼく自身も音楽と文化に関わる仕事に就いていなかったはず。生前出会うことはついに叶わなかったものの、元奥さまと仕事をご一緒したり、近い場所までは辿り着けた。

晩年は人が肉から骨へと変化していくように、メロディ=音楽を離れ、原初的なノイズ=音へと回帰していった。そんな音の中にも、ほかの誰にも代えがたい固有の「魂」・文体があった。ソロで好きなアルバムを挙げるならば、『エスペラント』と、最新作の『12』だろうか。結果として晩年期のベストアルバムに近い構成となった『サウンドトラック「怪物」』もよく聴いた。
 

 

サザンオールスターズ「Relay~杜の詩」

現時点で唯一の、坂本龍一のことを直接歌った追悼ソング。歌詞は、明治神宮外苑再開発に疑問を呈する内容(サザンがレコーディングの拠点としていたビクタースタジオは、国立競技場〜神宮外苑の間近にある)。この歌をサザンとして出せるのが、桑田佳祐の、サザンチームのすごいところ。
 

XG『NEW DNA

韓国のソングライティングチームと育成システムによって作られた日本のグループ。2022年のデビュー時から大好きで注目していたが、2023年はアメリカなど世界各地のフェスやイベントに出演し、その名を轟かせた。K-POPに比べてJ-POPが劣っているという捉え方は好きではないが、グローバルを最終目標とするアイドルの育成に関していえば、韓国に大きく水を開けられた感がある。
 

ano『猫猫吐吐

にゃんにゃんおえー、と読む。特に近年のポップスの歌詞に増えてきた「自己肯定(啓発ではなく)」を主題とする歌を、『のはらうた』の詩になぞらえて「ぼくは ぼく」ソング と呼んで密かに採集しているのだが、自分で作詞作曲も行うあのちゃんのアルバム曲のほぼ全編が、「ぼくは ぼく」ソングであることに驚かされた。あのちゃんが醸し出す世の中や常識との反りの合わなさが、同じ肌感覚を持つ若者たち(たとえばうちの娘とか)に共感とともに受け入れられている構図が目に浮かぶ。

「ちゅ、多様性。」は相対性理論(の真部さん)の曲、「涙くん、今日もおはようっ」は神聖かまってちゃん・の子との共作で「僕は頑張るよっ」のアンサーソング、とニコ動〜Twitter前夜の空気感もまといつつ。
 

トキメッキー「AtoZ」

日プ女子(PRODUCE 101 JAPAN GIRLS)の課題曲。この楽曲と歌い踊る7人が、アイドル純度100%!のきらめきを放っていて、このままデビューしてほしいくらいだった。

アイドルは「不完全」こそが魅力であると、この曲のぱるたん(桜庭遥花)や、UNIVERSE TICKETのコトコを見て、K-POPとは真逆の感想を抱いたりもした。
 

Lamp『一夜のペーソス』

10年代の終わり頃からアジアを中心に人気を博してきた中、過去の作品が本人たちの預かり知らぬところでTikTokやゲーム動画でバズり、海外で坂本龍一以上、フィッシュマンズの10倍は聴かれているという話を知って興味を持った矢先、昨年10月にノンプロモーションで突然リリースされた最新アルバム。

渋谷系ともシティポップとも違った独特の枯れた味わいがあって(ふと似てると思ったのは、ステレオラブ、森は生きている)、BGM(エレベーターミュージック)的でもあり、ありそうでない、非常によく練り込まれた音楽。

⎯⎯Lampはどのように海外で人気になったか|仁義なき音楽巡り

 
佐藤剛と“アイドル”

音楽プロデューサー/ジャーナリストでぼくの恩人・佐藤剛さんを偲んで作ったプレイリスト。作ってみて、昔の昭和歌謡/アイドルソングって沁みるなあとしみじみ。解説は下のリンクに。

⎯⎯佐藤剛と“アイドル”|Playlist|P-Graph
 

:::LIVE:::

サバシスター @ JAPAN JAM 2023
(祝!メジャーデビュー&ピザオブデス所属
佐々木彩夏プロデュース 100人超えノンストップ最強アイドルメドレー2023第7回 ももいろ歌合戦 2023→2024(Abema TV)
 

 

:::アート:::

谷内こうた展 風のゆくえ (上井草=ちひろ美術館・東京)

観た数が極度に少なかった中で、飛び抜けて強く心に響いたのが谷内こうたの絵と絵本。デザインを感じる絵。
 
 

:::メディア:::
 

©ngn/cc

:::映画:::

ケイコ 目を澄ませて
怪物
君たちはどう生きるか
天気の子[2019]
護られなかった者たちへ[2021]
MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない[2022]
 

:::テレビ:::

ちいかわ(コミックも)
anone[2018]
舞妓さんちのまかないさん(Netflix)
パリピ孔明
らんまん

6秒間の軌跡~花火師・望月星太郎の憂鬱
 

娘が(先に)ハマっていた音楽やエンタメを(後から)ぼくが好きになることがとても多い。K-POP、あのちゃん、ちいかわ、今の日本のロック etc…。当人は、ぼくがハマった頃にはとっくに別の対象に目移りしているのだが。

ここ数年、主人公が当たり前に貧しい境遇に置かれた現代劇をよく目にする。このところ見てきた中では、anone、天気の子、護られなかった者たちへ……「ちいかわ」もそのひとつだった。

ちいかわたちの暮らす世界には、シール貼りや討伐、草むしりといった労働の概念があって、それぞれが成果に応じたささやかな報酬を得ている。大半はとても貧しく、仲良しのちいかわとハチワレはなけなしの報酬で買った、一人分のたこ焼きを分け合って食べたりする。ちいかわはむちゃうまヨーグルトの懸賞で当たったドーム状の小さな家に、ハチワレは窓も扉もないさびしげな洞穴で暮らしている。うさぎの気風の良さと好奇心、くりまんじゅうの酒とつまみの日々、らっこ先生のスイーツ、シーサーの仕事への純真な意欲……それぞれが自分一人の小さな楽しみの領域を持つ。

過酷な生活の中にもある、宝石のような小さな幸せや優しいひととき、楽天的な日々を、ナガノ先生は「ちいかわ」で描く。自分たちも含めた日本の半数以上を占める、ワーキングクラスのための物語なのである。

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